こんにちは、FPかぴさんです。
以前、K様からお問い合わせを頂いた件について、更に「お伝えしたほうがいいな」と思った内容があったため、今回ブログを書いています。
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【シングル家庭は要注意】「指定代理請求人が未成年で、お金が受け取れません」は解決できるのか
皆さん、こんにちは。FPかぴさんです。 実は先日、当ブログの問い合わせフォームからお問い合わせをいただきました。 内容はとても深刻かつ重要性が高いものです。 急ぎ保険会社に問い合わせ、お ...
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当事者にならないと分からないことだと実感しています。
K様、大切なことにまた一つ気づかせていただきありがとうございます。
保険に加入される方への注意喚起として、改めてブログにさせていただきますね。
お問い合わせ内容の振り返り
始まりはK様からのお問合せでした。
内容をざっくりお伝えすると、義姉が意識不明の重体になってしまい、諸々の対応について困っているので教えてほしいというもの。
詳細はぜひ、上記のリンクを読んでいただけたらと思います。
保険の契約者が義姉だったこと、娘(K様からすると姪御様)が未成年にもかかわらず指定代理請求人&保険金受取人に指定されていることでお金が受け取れないという、かなりややこしい状況でした。
結論から言うと、解決方法は以下の4つ。
- 成年後見人制度を利用する
- 娘が結婚する
- 娘が成人を迎える
- 義姉が亡くなる
いずれにせよ、今すぐにお金を受け取ることができず、結局K様ご家族が諸々の費用を建て替えることでしか対応ができない結果となりました。
保険が解約できない…!
実は後日、K様よりご連絡を頂き、新たな問題が浮上していたことが分かりました。
それは義姉の保険が解約できないということ。
保険の登場人物は主に下記3人です。
- 契約者(保険を契約し保険料を払う人)
- 被保険者(その保険の対象者。この人が亡くなったり入院したりするとお金がもらえる)
- 保険金受取人(被保険者が支払事由に該当したときにお金を受け取る人)
この中で保険を自由に解約できるのは誰でしょう?
答えは『1.契約者』です。
保険を解約する際は契約者の意思が必要なのです。
仮に代理人が保険を解約する場合には、契約者からの委任状が必要になる場合がほとんどです。
※保険会社によりルールが異なる場合があるため、必ず保険会社に確認してくださいね!
今回のお問合せの場合、義姉が契約者=被保険者、受取人は娘でした。
つまり、契約者である義姉が意識不明である以上、契約者の同意が得られず保険を解約することはできません。
こうなってくると、保険金を受け取れないのに保険料を支払い続けることになるわけですね。
保険金詐欺を防止するためには、こうした厳しいルールを徹底しなければならず、保険会社側の譲歩は期待できません。
ちなみにこの問題を解決するには、保険加入時に「保険料払込免除特約」をつけておく必要がありました。
ただし、この「保険料払込免除特約」を付けると保険料は上がります。
また条件に該当しなければならず、条件も商品によってまちまち。
ここがややこしいところではありますが、「保険料払込免除特約」で解決できた問題だったかもしれません…。
このような落とし穴があることについて、保険を販売する側がよく理解していないと、K様のような状況が生まれてしまうのですね。
私も改めて日々の提案への責任の重さを実感する事象でした。
解決法は存在するのか
「意識不明状態の義姉の保険を解約したい」という問題を解決するには、義姉の成年後見人になることが一つ挙げられます。
成年後見人制度については下記に詳細が書いてあります。
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【認知症/意識不明になる前に調べよう】成年後見人制度とは?
皆さん、こんにちは。FPかぴさんです。 先日、指定代理請求人についてのお問合せ記事をアップしました。 その際に「成年後見人」というワードが出てきましたね。 この「成年後見人」とは何か、ど ...
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忙しい方のためにまとめちゃいますね!
成年後見人制度はメリットも大きいですが、デメリットももちろん存在します。
主なデメリットは下記の通り。
- 手続き自体に費用がかかる
- 一度選ばれたら対象者が亡くなるまで辞められない
- お金を自由に使えるわけではない
- 家族がなれるとは限らない
- 弁護士等が成年後見人に選ばれた場合は毎月報酬が必要
保険を解約するためだけに軽々しく選べる選択肢ではないですね…。
FPかぴさんの本日のまとめ
K様からのお問合せ内容は、全体的に私たち保険販売員が解決できることはほとんどなかったというのが実状です。
とっても歯がゆい想いではありますが、このブログに書くことでどなたかが救われるかもしれないと思い、ブログを書いています。
保険は加入してからがスタートです。
にも関わらず、本当に保険金が必要になった時にトラブルが起きるのは、大抵の場合下記のどちらかです。
- 契約者が定期的な見直しや保険内容の確認をしていない
- 保険の担当者の説明不足・理解不足
K様の場合は、圧倒的に保険の担当者の説明不足が原因です。
これを防ぐには、その保険が本当に問題ないのかを第三者のFPや保険会社の人間に確認してもらうしかありません。
なんでも疑ってかかるのは心苦しいかもしれませんが、いざという時のための保険です。
ぜひないがしろにせず、慎重かつ丁寧に加入を検討してください。
この記事が、あなたを守るきっかけになったら嬉しいです。
今日もブログをお読みいただき、ありがとうございました!
それではまたッ★