社会保障制度

【認知症/意識不明になる前に調べよう】成年後見人制度とは?

 

皆さん、こんにちは。FPかぴさんです。

先日、指定代理請求人についてのお問合せ記事をアップしました。

その際に「成年後見人」というワードが出てきましたね。
この「成年後見人」とは何か、どのようなメリットやデメリットがあるのか、簡単にまとめてみました!

前回の記事と合わせて読んでいただけると嬉しいです。

 

「成年後見人制度」とは

認知症や精神障害、知的障害などが原因で、不当な契約を結ばされたり、詐欺に巻き込まれてしまう方を守るために作られた制度です。
成年後見人制度には大きく分けて2つの制度があります。

注意点としては、被後見人(判断能力が衰えている人/判断能力がないと判断される人)が死亡するまでやめられないことです。

また選ばれた人を代えることもできません。
家族が成年後見人になれると思って家庭裁判所に申し立てをしたのに、選ばれたのが弁護士だったために申し立てを取りやめたい!なんてことは出来ないわけです。

これは、家族の不当な使い込みなどを防止するためで、あくまで被後見人を守るためのルールですが、意外と厄介ですね。

 

後見人のなり方

後見人になるためには家庭裁判所から選任される必要があります。
認知に問題があったり、意識がないなどの場合は法定後見人が必要になりますが、手続きが若干複雑になりますね。

 

 

後見人になるには費用がかかる

成年後見人になるにあたっては、「印紙代」や「鑑定費用」が1~10万ほどかかります。
また、必要な書類の作成を弁護士や司法書士に頼むと、各事務所によって異なるものの10~30万ほど別途費用がかかります。

加えて、後見人を第三者(弁護士や司法書士など)に頼むと、成年後見人に対して報酬を払わなくてはいけません。
これは被成年後見人の財産から支払われます。
被成年後見人の財産にもよりますが、財産が1000万円程度だと、月2万(年24万)が必要です。

印紙代についてはこちら↓

法定後見人

 

任意後見人

 

「後見人」が出来ること

  1. 本人の預貯金の管理や解約
    →成年後見人以外の人物が、本人の同意なしにお金を下そうとすると、たとえ親族でも窃盗罪になります!
  2. 介護施設などのサービス施設への入所手続き
  3. 医療費などの支払いや入院などの手続き
  4. 要介護認定の申請手続き
  5. 住居の確保や不動産の管理
  6. 保険や住居などの解約手続き

特に最後の保険については、本人の意思が確認できない場合は解約が出来ない場合があります。
必ず「指定代理請求人」を指定しておきましょう。
もし指定代理請求人が未成年/または死亡しているなどの場合は、成年後見人でないと解約できません。

 

※指定代理請求人についてのブログはこちら↓


 

要するに、本人の同意がなくては出来ないような手続きのほとんどを「後見人」が請け負えるわけです。

 

「後見人」が出来ないこと

  1. 日用品の購入
    →被後見人(後見人を必要とする人)が自分でできるという判断をされるようです。
  2. 介護などの事実行為
    →ヘルパーさんの契約などを締結することが仕事です。
  3. 医療行為への同意
    →現段階では、後見人が延命治療などを受けるかどうかを判断することはできません。
     被後見人は事前に自分の意思を後見人に伝えておく必要がありますね。
  4. 身元保証人、身元引受人、入院保証人等への就任
  5. 婚姻、離婚、養子縁組・離縁、認知等の代理
  6. 遺言
  7. 被後見人の居住用の住居の処分
    ※家庭裁判所の同意が必要です。
  8. 葬儀などの手続き
    →葬儀は親族が行うことが基本とされています。

 

例えば、これまで認知症になった父親の老齢年金を、一緒に住む父親のためだけでなく家族の生活費としても使っていたとします。

いよいよ父親の認知症がひどくなり、話が通じなくなってしまったために、息子が後見人になりました。
こうなると、父親の年金は家族の生活費としては使えなくなります。

なぜなら、家族の使い込みと判断されるからです。
「父親のためではない」と判断されたお金の使い方が全くできなくなるのが不便なところですね。

 

FPかぴさんの本日のまとめ

成年後見人制度とは

・認知症や精神障害、知的障害などが原因で、不当な契約を結ばされたり、詐欺に巻き込まれてしまう方を守るために作られた制度
・成年後見人制度は大きく分けて「法定後見人」と「任意後見人」の2パターンがある。

 

メリット

被後見人の
・銀行口座の管理ができる
・不動産の管理ができる
・不当な契約を結ばされた時に取り消しができる
・親族の不当な使い込みを阻止できる
・保険等の解約ができる

 

デメリット

・後見人になった後はどんな理由があっても辞められない
※家族でなく他人が後見人に選ばれるなどでトラブルになることも…
・出来ないことが意外と多い
※被後見人の資産を家族の生活費に使うなど、勝手に資産を使えない
・費用がかさむ
※「印紙代」や「鑑定費用」が1~10万
 必要書類の作成をプロに頼むと10~30万
 第三者が後見人に選ばれると月2万~の報酬が必要

 

結論

一度指定されると辞められない成年後見人制度。
メリットとデメリットをきちんと精査して、慎重に利用しましょう。

 

このお話があなたのお役に立てたら嬉しいです♪

今日もブログをお読みいただき、ありがとうございました!
それではまたッ★

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